ベータチタニウム オフィシャルブログ

2007年10月29日

LAMBORGHINI Circuit Challenge 2007

先週の土曜日に岡山国際サーキットで行われた、LAMBORGHINI Circuit Challenge 2007を見学させていただいてまいりました。

Ti-6Al-4Vでカウンタックのホイールボルト開発させていただいたのですが、次は現行車両用の物を作ろうということで色々と体験させていただきました。

会場に集まるランボルギーニ。やはり迫力があります。

とりあえず今回一度どんな感じの挙動の車なのかを知るためにナビシートに同乗させていただきサーキットを走行していただきました。

乗せていただいたのはコチラ。

LAMBORGHINI Gallardo

90°V型10気筒 DOHC 40バルブ 縦置きリアミッドシップ
382 kW (520 hp) / 8000 rpm/510 Nm / 4250 rpm
フルタイム4WD

というおよそ日本車では考えられないスペックです。

ヘルメットをかぶっているのは今回連れて来てくださったLAMBORGHINI  OSAKAのT氏です。

後ろから

エンジンルームはガラス張り

走行していただいての感想は非常に良く出来た車だと感じる事が出来ました。こういうスーパーカー(あえてスポーツカーとは呼ばず)ってもっとゴツゴツしたものだと思っていたんですが、とてもなめらかでしなやかな動きをしながら駆け抜けていきます。

ボディも決して軽量ではないのですが重さを感じさせない安定感があります。

ここからボルトでどんな風に走りを変える事が出来るのか非常に楽しみになりました。

そして実際にB-titaniumの製品を装着したのがコチラ

こちらもGallardoなんですがグレーのボディが凄みを感じさせます。

そして装着しているのがこのホイールボルト

今回は陽極酸化処理を掛けたのですが、チタニウムグレー色のホイールとの組み合わせが非常に良かったです。

離れて見ても存在感がありますね。

実はこの車両のホイールボルトはお客様のご要望によりスペシャルな処理を施してあるのですが、それはまだヒミツにしておきます。

ホイールボルトを変える事によるメリットはまた別件で書いてみますのでお待ちくださいね。

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2007年10月25日

2007 JSB1000

先日10月21日に鈴鹿サーキットで行われた2007全日本ロードレース選手権にてヨシムラスズキ with JOMOの渡辺選手が総合優勝を決めました。

2007全日本ロードレース選手権 JSB1000クラス
総合優勝 ゼッケン76
ヨシムラスズキwithJOMO 渡辺 篤選手

Congratulations☆

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2007年10月19日

β鍛造を考える(最終回)

これでα-β合金とβ合金の使用事例などを分かっていただけたのでは?
と思いますが・・・・・・・。

今日は「β鍛造を考える(最終回)」

もっと、深いところに行きますので、ココまでのところで分からない人は最後の数行だけでも読んでくださいね。

さて、本題です。

αーβの組織の合金を加熱するとβ組織になります。
β組織に変わる温度を変態温度とか変態点といい、900℃近辺がその温度と呼ばれています。
α-β合金の鍛造は、この温度帯で行われています。

しかし、純チタン・β合金はココまでの温度に上げなくても、冷間もしくは温間と呼ばれる比較的低い温度で鍛造が可能です。
これは100gの材料から100gの製品ができる事がベストで、歩留まり(製品に対する材料比率)をよくする為に純チタン・β合金には鍛造という工法が取られいます。

しかし、64Ti(ロクヨンチタン)においては、純チタン・β合金と同様の工法が取れません。

まずは下の表をご覧下さい。

α-β合金とβ合金の性質です。

ボルト製造業者ですので、ボルトに当てはめると良く分かりますが、最強を求めるならば両者の利点を取り入れた材料がが必要になります。

現在のところ、β合金で両方の欠点を補った材料を見た事がありません。市場での流通量が非常に少ないα-β合金のSP700ぐらいでしょうか?(見た事も触った事もありませんが・・)

だから、航空機エンジン部品に64Ti(β鍛造)

深海6500の隔壁板に64Ti-ELI(β鍛造)なのです。

絶対妥協できない部品ですから・・・・。

最後に

α-β合金β鍛造する事によって破壊靭性・亀裂伝播速度・耐クリープ性を向上させる事が出来ます。これは理想の超高強度チタン合金になります。

私たちは上記と同じβ鍛造と呼ばれる工法で、鍛造を打ち、切削加工後、転造によってボルトを製造しています。

今年、ヨシムラジャパン様は私たちにプレゼントをくださいました。

それは8時間耐久レース優勝車両に、私たちの作ったボルトが装着されていた事です。

8時間耐久レースでトラブルは一切無く、優勝した

ありがとうございました。

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2007年10月18日

β鍛造を考える(2回目)

今日はβ合金のお話です。

昨日はα-β合金の話だけで力尽きてしまいましたが、一気に書こうと思えどもなかなか文章が進みません。

今日はβ合金の話になります。

β合金

一番、身近にあるチタン合金です。
15-3-3-3(ジュウゴサンサンサン)と呼ばれる合金が流通量が多く、身近にあるチタン合金です。
もっとほかに呼びやすい名称は無いものか?とも思いますが、業界ではこう呼ばれています。

正式には
Ti-15V-3Cr-3Sn-3Alと表記され、15%のV(バナジウム)3%のCr(クロム)3%のSn(スズ)3%のAl(アルミ)が含まれています。

64合金(Ti-6Al-4V)は6%のAl(アルミ)と4%のV(バナジウム)が含む事を考えると、希少金属の添加物が多く64合金に比べ材料費が高い事が伺えます。

ただし、冷間加工性にすぐれ、歩留まりが良く、製品の製造時間を短縮できる事から、材料コストと製造コストの両方をを抑える事が出来ています。また、高付加価値製品に使用される事が多いために、人の目に触れる事が多くなっています。

代表格はやはり「メガネ」です。
最近の眼鏡屋さんにはチタン合金製のメガネが10年前に比べると、どれにしようか悩むほど多く並んでいます。

また、形状記憶合金って知っている方も多いと思いますが、これがチタンを含む事を知っている方は少ないのではないでしょうか?

正式にはTi-Ni合金と呼ばれ、Ti(チタン)50%、Ni(ニッケル)50%の合金です。
これもメガネや女性の下着に使われています。
女性の下着の着け心地は分かりませんが、メガネに関しては、プラスチックレンズとの併用により非常に快適です。

β合金のボルトに関しては、あまり広まっていないのが現状です。
ひとつの原因に航空機・医療に使われるボルトにはβ合金は認可されていないのが原因でもあるように思えます。
認可されている合金は64合金です。

最後に
「やってしまいました。文章ばっかりです。」

やはり、写真が無いと寂しいですよね。

岡山県の山中で見つけた「田んぼ」です。

私は野球を知らないのですが、尼崎は阪神タイガースの国?(失礼!)というのは良く知っています。

会社が尼崎にある以上、地域に貢献しなければなりません。
まずはこの写真でお許し下さい。

では、また明日!

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2007年10月17日

β鍛造を考える

昨日はβ鍛造のことについて触れました。

しかし、いきなりβ鍛造の事を出されても困りますね。

数日に分けて説明します。

まず、チタンには組織構造によって3種類に分ける事ができます。
α合金、α-β合金、β合金 と呼ばれているものです。
とりわけβとつくものに的を絞って書く事にしますが、嫌がらず最後まで読んでくださいね。

α-β合金

その代表格はやはり64合金(Ti-6Al-4V)です。
チタン合金の中では流通量が一番多いのですが、世間一般、誰もが知っているというまでには至りません。

なぜなのか?

一般的に人の目に触れるところには無いからです。

航空機のエンジン部品・医療機器・産業機器・その他(あまりに特殊すぎます)
上記に使われているですが、普通の人は見る事が出来ませんね。

そこで、実際に当社製品が使われているレース車両の画像をお見せします。

蒼いボルトが見えますか?
それがTIHC&陽極酸化処理品です。

オートバイ・自動車業界で64合金ボルトの風評は「折れる」「かじる」「焼きつく」と耳にしますが、使用者・製造者で何かが間違っています。そんなに簡単に折れるものでもありません。

この辺の話は後日に回しますが、

悲しい事に昼間の奥様方の会話の中で

「最近、64合金ってオシャレよねぇ~」って出てくるのは、まだまだ先の話になるでしょう。

落ちつけてしまいました。

明日はβ合金について説明します。
順調に行けば、19日金曜の夜にはβ鍛造にたどり着けるかも?

それでは明日も読んでくださいね。

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