ベータチタニウム オフィシャルブログ

2007年10月17日

β鍛造を考える

昨日はβ鍛造のことについて触れました。

しかし、いきなりβ鍛造の事を出されても困りますね。

数日に分けて説明します。

まず、チタンには組織構造によって3種類に分ける事ができます。
α合金、α-β合金、β合金 と呼ばれているものです。
とりわけβとつくものに的を絞って書く事にしますが、嫌がらず最後まで読んでくださいね。

α-β合金

その代表格はやはり64合金(Ti-6Al-4V)です。
チタン合金の中では流通量が一番多いのですが、世間一般、誰もが知っているというまでには至りません。

なぜなのか?

一般的に人の目に触れるところには無いからです。

航空機のエンジン部品・医療機器・産業機器・その他(あまりに特殊すぎます)
上記に使われているですが、普通の人は見る事が出来ませんね。

そこで、実際に当社製品が使われているレース車両の画像をお見せします。

蒼いボルトが見えますか?
それがTIHC&陽極酸化処理品です。

オートバイ・自動車業界で64合金ボルトの風評は「折れる」「かじる」「焼きつく」と耳にしますが、使用者・製造者で何かが間違っています。そんなに簡単に折れるものでもありません。

この辺の話は後日に回しますが、

悲しい事に昼間の奥様方の会話の中で

「最近、64合金ってオシャレよねぇ~」って出てくるのは、まだまだ先の話になるでしょう。

落ちつけてしまいました。

明日はβ合金について説明します。
順調に行けば、19日金曜の夜にはβ鍛造にたどり着けるかも?

それでは明日も読んでくださいね。

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2007年10月16日

鍛造

いきなり昨日の日記が抜けてしまいました。
ごめんなさい。

・・・・で、
今日はちょっと重い話です。
また、ごめんなさい。

財団法人日本チタン協会という組織があります。
http://www.titan-japan.com/
通称「チタ協」と会員の間で呼ばれて、様々なデータや書物を発行しています。

その中で「チタン小事典」なる事典があります。

その中に「β鍛造」なる言葉がありました。

 

β鍛造

チタン合金の鍛造においてβ域に加熱して行う鍛造。β域に加熱して冷却してくるとα-β2相域で鍛造することになるがα-β鍛造とは言わない。

一旦、β域に加熱した場合低い温度になってもβ鍛造である。
鋳塊の鍛造は割れやすいので必ず高温のβ域に加熱して行うのでβ鍛造であるが積極的にβ鍛造とは呼ばない。

狭義のβ鍛造はα-β合金の仕上げ鍛造に用いるときにいう。

α-β合金では優れた機械的性質を得るために等軸α組織が通常義務付けられており、仕上げ鍛造はα-β鍛造でしなければならない。

しかし、β鍛造を仕上げに使うと針状α組織になるが、破壊靱性・亀裂伝播速度・耐クリープ性などの性質に優れていることがわかり、これらの性質が重要な部品にはβ鍛造が積極的に採用されている。

加熱温度域が広がり、鍛造が容易になる多きな長所もある。

 

β鍛造の主な材質は、いわゆる「64合金」です。
明日は、良く分からない人の為にもう少し分かりやすく説明しますね。

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2007年9月17日

ちょっとしたお話

今日お客様からのお問合せであった内容について書いてみます。

「ネジの頭が六角なのは何故ですか?
プラスとかじゃダメなんですか?」

と、いう御質問をいただきましてそれにお答えしたのですが、折角なので今日の日記で書いてみたいと思います。

さて、通常ネジの頭で皆さんが思い浮かぶのは「プラスネジ」では無いでしょうか?

まずはこの「プラスネジ」というものは比較的近代で使用されるようになった形状でそれ以前は「マイナスネジ」が主流でした。
(プラスネジは20世紀になってから)

ですが、プラスネジがマイナスネジより優れた特性を多く持っていたため次第にプラスネジが主流となってきました。

ではプラスネジがマイナスネジよりも優れている点をご説明させて頂きます。

それは【ネジが回しやすい】というのがあります。

プラスっていう形はマイナスよりも浅かったり角度を多少変えても回りますよね?

コレはなぜかというと単純にトルクの分散が出来ているからなのです。

マイナスだと工具の接地が2点(基本的に接地は点です)

これがプラスだと4点になります。

2点から4点に変わると何故良いのか?

それは締め付けトルクが2N・mだとしたら接地点が2点のマイナスでは単純に1点あたりに掛かる力が1N・mになります。

これが接地点が4点あるプラスでは1点あたりの掛かる力が0.5N・mになります。

接地点に掛かる力が少ないとネジを回す際に少ない力で回ります。

さらに力が分散されているのでネジをなめにくくもなります。

また、プラスのネジの方がネジの底に水分が溜まりにくい等の利点もあります。

こういった理由から現代ではマイナスではなくプラスの方が利点が多いのでプラスを採用しているのです。

それでは六角の頭の場合はというと分散点を多くとる以外に形状が円に近いので今までの十字型より一層トルクの分散が出来るのです。

また大きなトルクをかける際にプラスネジでは力が逃げてしまうのですが(切り口が斜めの為)内六角では横に円運動するのでトルクの管理がしやすく現代の工業製品では殆ど六角を使用しています。

(TISC)

更に大きなトルクを掛ける際には外六角のほうが向いています。

これは外形の方がトルクを大きく掛けた際に力の加わりが伝わりやすいからです。
内側の6mm六角よりも外側の10mm外六角の方が円運動が大きく掛けれます。

(TIHC)

ですのでベータチタニウムでは基本的に六角を採用しています。

さらに言うと今度は12角の方が良いのではないかと言われるのですが、これはよほどのサイズで無い限り今度は一面あたりの強度が低くなる為大きなトルクが掛けれません。
(昔一度だけどーしても12角が欲しいといわれ造りましたが…)

ですので工具を掛ける相手として六角よりも優れた規格としては12ポイントという形状になります。

(RidingHouse-DUCATI1098用アクスルナット)

この形状だとしっかりと工具の接地面に力を掛けれるのでなめにくく、トルク管理がしやすくなります。

が、Ti-6Al-4Vをこの形状に加工するには大きなコストが掛かってしまう為に量産品ではあまり採用はしていません。

と、ちょっと話が長くなってしまいましたがこんな感じのご説明を個人のお客様にさせていただきました。

ベータチタニウムはネジ屋なのでネジの事で疑問に思ったことや解らない事がありましたら遠慮なく聞いてください。

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2007年9月13日

Ti-6Al-4Vチタン合金とルナチタニウム合金の関係性からガンダリウム合金までの道のりを真面目にチタン合金屋が考えたら思いのほかの反響だったので調子に乗って百式の外装について書いてみる2007 最終話

金色のボディにしなければならなかった?

金という色に目的があった?

目的の為に金色になった?

ここはやはり金色にならざるを得なかったと考えました。

ここからが仮説

大元の話でも書いたようにモビルスーツに使用されているガンダリウム合金(ルナチタニウム合金)はTi-6Al-4V合金と類似しており、同種金属であることを前提としてお話します

元々Ti-6Al-4V合金は耐蝕性に優れ、また耐振動合金として開発された(元々は戦闘機のエンジン開発用合金)金属なので長期間の運用には適していると考えられます。

が、しかし高熱、高速、高負荷とモビルスーツを運用する際に生じる外的要因を考えるとそのままTi-6Al-4V合金を使用するよりも表面処理を含めた加工が必要となってきます。
恐らくTi-6Al-4Vチタン合金に何らかの表面処理を施していると考えられます。

そこで現存するチタンに対して有効な表面処理を百式に当てまるモノは何か考えてみました。

必要な能力は

表面硬度(対摩擦係数)
対密着性(宇宙空間で皮膜が剥がれない様に)

そして

鮮やかな金色

まずはご存知陽極酸化処理

ベータチタニウム製品として出している蒼色の皮膜なのですが、密着性は高く真空中でも剥がれる事はないのですが、表面硬度があまり上がりません。

というかあんな鮮やかな金色は出せません(近い色は出ます)

続いてTiNコーティング(チタン窒化皮膜)
フロントフォーク等に使われている色的にはアリなのでしょうが対密着性がTi-6Al-4V合金とあまり良くなく真空中での運用に不安が残ります。

次はDLC(ダイヤモンドライクカーボン)
皮膜硬度は高く、耐摩耗性には非常に強くよさげなのですが発色が
どんなけがんばっても金色にはなりません…

結構金色でつまずいてしまう事が多いですね…

ここまで書いていて思うのは2007年九月現在に実用化しているTi-6Al-4Vに対する表面処理では中々思うような表面処理がありませんでした。

が、

マツヤマは見つけてしまいました。

鮮やかな金色に発色し

表面硬度もTi-6Al-4Vよりも上がり

密着性の高い表面皮膜を

コレを御覧下さい。

まさしく百式色
そして表面硬度、対密着性に優れたこの皮膜そうです、

ベータチタニウムが産業技術総合研究所との共同研究によって生み出した

カラーコーディネートチタンです

もうアレですよ、

遂に開発しちゃいましたね、

ベータチタニウムが、

百式(の色)

我社の技術を駆使したモビルスーツにあの方が乗って宇宙を駆け巡ったのですよ!!

どうですか!?

この事実(または妄想)

もうアレですよ、玩具メーカーさんも金やらプラチナやらを使ってガンダムなんか造っている場合じゃあナイですよ

ガンダリウム合金(Ti-6Al-4Vであって欲しい)
を使って

リアル百式のプラモデルを造りましょう!

コレが言いたかったダケ…

バ○ダイさんご検討の程宜しくお願いします!!

※注意
今回の記事はあくまでもネタです
三回に分けたネタです
大人な範囲でお楽しみいただきたく思います。

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2007年9月11日

Ti-6AL-4Vチタン合金とルナチタニウム合金の関係性からガンダリウム合金までの道のりを真面目にチタン合金屋が考えたら思いのほかの反響だったので調子に乗って百式の外装について書いてみる2007 その2

そうです、百式が他のモビルスーツと最も特徴的差異がある部分…

ずばり 「機体色」 です。

全ての兵器に共通する隠密性という重要事項を完全に無視した
あの金色

何故にわざわざあのような機体色を採用したのか?

まず考えられるのは誰かの趣味

が脳裏に浮かぶでしょうが、設定を調べてみてもこの機体は開発段階の時点で金色でした。

と、いう事はこの機体色は開発段階である程度の科学的根拠があって採用されたのではないかと考えます。

ここで二種類の思考のチャートが出てくるのですが

1、色覚的に金色である事に意味があった(色主導)
2、ある種の目的を達成する為に金色になった(機能主導)

1について、

まず普通に考えれば兵器というものは少なからず隠密性
というものが重要となってきます。
宙間戦闘を主体に考えられた百式があえて目立つ機体色を採用するという事は考えられません(普通は黒系統)

と、いうことは別種の目的を達成する為にあえて金色の機体色を採用したという事が考えられます。

その目的とは一体何なのか?
(わざわざ馬鹿みたいに目立つ機体色にする理由は何なのか?)

これに一つの仮説を立ててみました。

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