ベータチタニウム オフィシャルブログ

2008年1月28日

CB400SS ボルト三本での効果

新カテゴリを作っておきながら全くもって書いていなかった【マツヤマの装着テスト】

本日めでたく第二回のレポートをあげてみたいと思います。

今回のテスト車両はこちら

HONDA CB400SS

ホンダのスタンダードモデルに位置する空冷単気筒

どちらかといえばレースよりファッションのイメージの強いオートバイですが、このオートバイの乗り味をベータチタニウムのボルトで果たして変えれるのか?という実験です。

今回交換した箇所は以下の点

トップブリッジアンダーブラケットピンチボルト×2

アクスルピンチボルト

これだけです

このネジ三本ではたして変わるのか?

変わりました。

とりあえず換装直後に発進し前輪が一回転したときに『ん?』

と、不思議な感覚

このクラスのノーマルの車両は軽やかな足回りで乗りやすいのですがどことなく安定感というものが少ないものだという認識が強かったのですが、一つ上の安定感が感じられました。

例えるならばホーネットやバリオスのフロント周りのような感触
(排気量は下がっても足回りはSSよりいいんです)

今までに比べると非常にシルキーな感触に変わりました。

コーナーやギャップを抜けたときに今までだったら

『ブェブェブェ』って感じで動いていたサスペンションが

『ヒュンヒュンヒュン』と動いていくのがわかります。

それが当たり前だと思っていた元々あった振動が二つ程消えているような乗り味

【割締めに対する効果】でも書きましたが、分割された物体同士を結合しているボルトは力が掛かると開く方向に引っ張られるので、純正で常に引っ張られていたボルトが力に負けて細かく伸び縮みしていてフロントフォークの保持力が不安定になっていたのが、Ti-6Al-4V鍛造のボルトに換装することによりしっかりと締結し、保持力を維持できていた為だと推測されます。

テスト走行する前は換装する本数が少ないために果たして変化が感じれるかわからなかったのですが、予想以上に効きました

よくよく考えてみると、現在殆どのロードバイクは例えばアンダークランプであったり、トップブリッジなどは締結の為の保持面積広くボルトも2本以上で取り付けている場合が多いですが、このCB400SSという車両はクラシック路線だからなのか全てボルト一本止めなんですよね。

そりゃあ絶対的馬力は他車に劣るものの車重はそんなに軽くないのでその少ない保持面積に大きな負荷が掛かっていた事が予測されます。

ですのでたった三本のボルトを高剛性化させることによって、今までは解消しようの無かった、若しくは改善出来ると思っていなかった効果を得ることが出来たのだと考えられます。

今回のテストはそういった意味でも新しい視点での発見が多く良いデータが取れたと思います。

カテゴリー:螺旋屋徒然ブログ

2008年1月22日

Mini用Ti-6Al-4Vホイールスタッドボルトテストin岡山国際三時間耐久レース

1月21日に岡山国際サーキットで行われたMiniでの三時間耐久レース第15回HOTDOG大運動会に行ってまいりました。滋賀県にあるRIDGEさんの車両で参戦。

今回はチーム名も
【RIDGE+βtitaniumテストマシン】というお名前で出場していただきました。

前回のレースではMini用のホイールナットを装着して走っていただいたのですが、今回はホイールスタッドボルトのテストでした。

因みに製品の写真はまだちょっと載せれないのであしからず

レースの開催された岡山国際サーキットなのですが、天候は非常に悪かったです。

 

ちょっと携帯カメラでの撮影だったので解かり難いのですが朝の5時過ぎから雪が降っていて外気温が0度、当日の最高気温ですら1.6度と日差しが全く当たらないので路面温度も殆ど外気温と同じという状況でした。

参戦クラスは1300ccのノーマルクラス

改造範囲が最も狭くほぼノーマルパーツで構成されたエンジンでのクラスでした。

車両はRIDGE SAMMY

ベータチタニウム製の部品はフロントはホイールナットと今回の試作スタッドボルト

 

リアはホイールナットのみ

テスト走行が午前中にあり午後12時からレース開始

結局午後から天候が回復するどころか雪が強くなってきました

いくつかのチームがこの時点で参加を見送りましたが定刻通りレースは12時スタート

しかし予想通りの荒れた展開

各コーナーで次々とマシンがスピンしていきます。

やはり気温と路面がタイヤをグリップさせてくれていません。

が、

一台の車両だけがインフィールドでグイグイ曲がっていっています。

そうです

RIDGE+βtitaniumテストマシンでした。

今回私は主にREVOLVERコーナーの良く見える位置で見ていたのですが
岡山国際コース図参照

明らかに他の車と違う動きをしていました。

REVOLVERからDのコーナーまでの動きなのですが、他のチームが大外のラインを前後スライドさせながらクリアしていくのに対してRIDGE+βtitaniumテストマシンはイン側から少量のカウンターでピタッと走っていきます。
イン側のラインでくるっと回れる車両なのですが大外のラインを通っている他車よりもあきらかに加速性能がよく、車体が加速体制に入ってからはまるでワープしているかのように置いていきます。
見ていた感じとしては”踏んでいける”感が非常に強かったです。

しかしレース展開は3時間で6度の赤旗でマーシャルカーが入ってしまいました。

不運にも6度中5度もマーシャルカーの真後ろに入ってしまい上位チームとはずるずると差を付けられてしまいそれでも一度は総合3位まで上がっていたのですが追い上げられずレース終了。

結果総合8位
クラス1位という順位でチェッカーでした。

以下ドライバーコメント

『カウンターのあてる量が少なく細かく操作できたのが良かった、Cのコーナーでは加速時はドライの場合でも多少アクセルのコントロールが必要だったのがこの天候でも踏みっぱなしでクリアできる。
また、ブレーキングでも前回のホイールナットだけの時よりもあきらかに安心感が増えた、路面がこんな状況だったけれどもフロントのグリップが感じやすくリアさえ流れなければ曲がっていける。
出来れば次回はドライの状況で前後スタッドボルトを換装した状態で走ってみたい。』

RIDGE代表上林さん

今回のテストの総評として前回のレースの時にホイールナットを試してもらったのですが、その効果の中で一つ顕著に出ていた効果に『タイヤが丸く感じる』というお言葉をいただきました。
これは走行中に真円から楕円に歪んでしまうホイールを高剛性のTi-6Al-4Vのホイールナットで車体側に伝わる際に真円に近づいたということだったと思うのですが、今回は車体側からの受けをも高剛性化する事によってより一層際立ったのと推測出来ます。

今回は確かに結果で総合では8位と悔しい結果に終わりましたが収穫を決定付けたのはこれも結果でした。

同クラスで1位だったのですが、ベストタイムで2位以下を4秒も離す事が出来たのは一つの成果でした。

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2008年1月17日

Ti-6Al-4V鍛造 ボルトに対する優位性

ベータチタニウムの製品の主幹製品はボルトです。

基本的にTi-6Al-4Vを使用し螺旋部を転造で仕上げています。

そしてもう一つ重要なポイントが鍛造材を使用しているという事なのですが、今日はこの鍛造について詳しく書いてみたいと思います。

まず基本的に通常Ti-6Al-4Vと呼ばれる金属は全て鍛造されている状態で出荷されてきます。
基本丸材しか存在しないのですがそれは他の金属のように溶かしたり伸ばしたりという事が出来ない為に金属の精製炉からあがってきた”だいたい丸材”を鍛造、つまり叩いて鍛えながら丸材の形にします。

ですのでTi-6Al-4Vというものが世にでている時点で基本的には全て鍛造なのですね。

さてさてここからが本題、

じゃあなぜわざわざベータチタニウムではTi-6Al-4V鍛造だと言う事をアピールしているのかというとそれには理由があります。

チタン合金の種類には大まかな分類

α相

α‐β相

β相

の三種類がありベータチタニウム製品の全ては基本的にα-βチタンに分類されるというのは以前に書かせていただきました。

ここでα-β相とβ相の違いついて科学的に説明するとα-β相は最密六方格子の低温安定相でβ相とは体心立方格子の高温安定相…

って金属材料系の専門しかわからない違いがあります。

これをネジ屋であるベータチタニウムが実際に作業し製品を作成して様々な試験にかけた結果で簡単に説明すると

α-β相は、ずれやすく

β相は、ずれにくい

というイメージを持っていただければよいと思います。

金属の面白いところで

硬さ、強さ、強度、剛性、という言葉は似ているのですが全て違う特性を指すものなのです。

高強度や高剛性という言葉だけで金属の強さというのは中々顕せないものなのです。

ちょっと話がそれてしまいましたが金属の強さというところの話は後日改めて書いてみたいと思いますのでここから本題の鍛造について話を戻してみます。

上記で書いたのですがα-β(Ti-6Al-4V)はβ相に比べてずれやすい

つまり伸び縮みに対して優れているのです
(相がずれにくいと伸びずに破断します)
ですので例えばボルト(ねじ山)に必要な締め付けトルクに対してのスプリングバックがかかりやすく締め付けたときに安定して締結する事が出来ます。

それに対してβ相は確かに剛性は高いのですが伸びが少なくボルトにした際に相手側にばかりスプリングバックをもとめてします傾向にあります。

ボルト、更にここではピックアップしてみるとねじ山としてはα-β相のTi-6Al-4Vが優れている箇所が多いのです。

ですがβ相というのは伸びがなく非常にずれにくい、つまり存在がずれにくいでねじ山意外では非常に良い特性を持つ金属なのです。

そこでベータチタニウムのTi-6Al-4V鍛造ボルトなのです。

ベータチタニウムのボルトはあらかじめ鍛造されて出荷されてきた丸材をカットして頭の部分(六角穴とその周囲)をさらに熱間鍛造をしています。

α-β相であるTi-6Al-4Vをβ相の高温安定相まで引き上げてβ相を持たせます。
一度β相まで上がった組織というものは常温になってもβ鍛造と呼ばれる状態になるのです。

通常のTi-6Al-4Vを更に熱間鍛造することによりα-β相の胴部にβ相の頭部をもつ複合特性のTi-6Al-4Vを作り出すことが出来これにより螺旋部から胴部にかけては適度なスプリングバックを残し、ボルトの首裏から頭部は高剛性高強度のボルトを作り出すことが可能になるのです。

よくチタンのボルトは緩みやすいというご意見をいただくのですがそれはずれやすいα-β相のみで構成されている為、頭部も伸びですれてしまい力が抜けたときに一緒に動いてしまうからなのです。

ボルトという決められた形状の中でTi-6Al-4Vの特性をフルに生かす為には?

たった一本のボルトですが実はこんな事を考えて作っています。

今回書いたのはあくまでも鍛造という手法にスポットライトをあてたのですがまだまだ教科書には載っていないネジ屋の技術というものが沢山あります。

流石に加工に関するノウハウは表に出せないものが多いのですがこういったものの積み重ねでベータチタニウムはボルトを作っています。

たかがネジ

されどネジ

これからも常に新しい技術を入れながらベータチタニウムの製品は進化させて行きたいと思います。

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2008年1月9日

Buell XB用アクスルシャフトのインプレッション

昨年末辺りから様々な雑誌でご紹介いただいているおかげでお問合せが非常に増えてまいりました。

お問い合わせ内容で多いのが

『実際に換装すると、変わるんですか?』という内容です。

通常ならば経験豊富なプロのライダーの方々や雑誌でインプレッションを書かれるライターの方々にご感想いただくところなのですが、それはまだ今から発売されていく雑誌の紙面でお伝えしようと思います。

というわけでベータチタニウム技術開発として幸運にも色々な車種をテストしてきたのであくまでマツヤマの主観ですがインプレッションを書いてみたいと思います。

が、最初にお断りしておきますがコレはあくまでも一般ツーリングライダーのマツヤマが自分自身で乗ってみて感じた事を書いていくものであって、製品の性能を実際に感じていただけるかを保証するものではございませんのであしからず。

さてさてそれではまずはBuell XB用アクスルシャフトからいってみたいと思います。

京都のBuell専門店Buell Leoさんと共同開発したこのアクスルシャフトです。

現行のBuellといえば、通常のビックバイクよりも極端に短いホイールベースと極端に立ったキャスター角のディメンションを高剛性のフレームで受け止める事によって生み出される軽やかな走りが魅力のオートバイですが、国産のビックバイクに比べてその分若干安定性に欠けるものがありました。

そんなBuellにTi-6Al-4Vアクスルシャフトを装着するとまず感じたのがサスペンションの収束のスムーズさでした。

例えば直線であろうがコーナー中であろうがちょっとしたギャップの上を通った時に超えた感覚はあるが不快感が全く無かったんです。

もうちょっと深く書くと、例えば峠道を走行中に下りのコーナーに減速帯があるじゃないですか?

あの上を越えたときに今までならば路面から『ゴツッ、ゴツッ』と突き上げられるような感覚が来ていたのに、Ti-6Al-4Vアクスルシャフトに換装すると減速帯の上で『ストン、ストン』とサスペンションの伸び縮みがキチンと感覚が把握出来るようになったんですよ。

今までが減速帯の上で跳ねていたタイヤが減速帯の上をなめるように走っていくのです。

もちろんそれは車体が真っ直ぐの時でもバンク中の状態でもです。

これは剛性が上がった事により路面から力が掛かってもサスペンションに伝わる前にキチンと力が整流化されて今まであった捩れや微振動をしっかりと押さえ込めるからだと推測します。

これは高速道路やサーキットのようなスピードレンジの高い箇所の方が顕著に現れます。
また長時間の連続走行では明らかに疲労度が低くなりました。

そしてその剛性は強いブレーキングでも威力を発揮します。

減速帯の走行が路面側からの力の入力だとすればブレーキングは車体側からの入力になるのですが力の最終到達点であるアクスルシャフトの剛性が上がる事によりしっかりと安定したブレーキングが可能となりました。

それはブレーキングから車体をバンクさせる動作でより顕著に現れます。
一連の動作がそのままスムーズに移行していくのです。

そしてバネ下で200g以上軽量化させた恩恵で異様に足回りが軽くなります。
これは軽くした上で剛性を上げた為により顕著にその軽さが実感出来ました。

っとホントに良いことだらけの事しか書いていないのですが、実際に乗っていただければご理解いただけると確信できる効果だと思います。

このBuell用アクスルシャフトはBuell Leoさんの試乗車に実際に装着されていますので購入をお悩みの際は是非京都のBuell Leoさんで比較してみてください。
純正との乗り比べもできますので。

国産のオーナーさんも是非試して参考にしてみてください。

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2008年1月5日

TISC

今までが二輪や四輪に特化したボルトばかりだったので、本日からベータチタニウム基本製品(カタログ製品)のご紹介もして行きたいと思います。

カタログ製品ご紹介第一弾はコチラ

TISCです

読み方は『てぃーあいえすしー』と読みます。

英字の意味合いはTI=チタン(ベータチタニウムではチタン=Ti-6Al-4V)SC=ストレートキャップ

つまりTi-6Al-4Vの真っ直ぐな頭のボルトという意味です。

一般では六角穴付ボルト等とも呼ばれています。

材質はもちろん鍛造材です。

最もシンプルな形状のこのボルトの良い所はJIS規格よりも小回りの効く寸法にししてありますので使う場所を選ばないところですね。

カテゴリー:製品紹介

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