ベータチタニウム オフィシャルブログ

2007年5月1日

転造螺旋

こんにちはベータチタニウム技術開発 松山です
今日はネジ屋さんとしてお話したいと思います

ネジの歴史は結構古くて古代ギリシァ時代まで遡ります。

その後日本にネジが伝わったのは1500年代に種子島に流れ着いた鉄砲に付いていた物だと言われています。

それまでの日本にはネジという概念は無く、建築や道具を作るときには「閂」等を使い組み立てによる強度を求めた手法が多かったのです。

さて、ではこの紀元前に生まれ五百年前に日本に着いた「ネジ」というもの。いったいどのように変わって行ったのでしょうか?

っと、基本的には変わっていません。

種類はいっぱい増えましたが螺旋(ネジと読みます)で入るという基本構造は変わることなく、製造方法やねじ山の形で進化してきました。

そして今日はねじ山の作り方についてお話したいと思います。

工業製品でのネジ山の作り方として代表的な物が

「切削」

「転造」

があります。

まず切削ネジについてお話しましょう。

これは主に旋盤と呼ばれる機械で文字通りネジ山を「切って」作ります。

最近だと機械制御されたNC旋盤で比較的簡単に作ることが出来ます。
機械設定も1/1000mmまで制御できる機械がほとんどなので精密作業のイメージを持たれる事が多いです。

コンピューター制御なのでオペレーターの錬度にもよりますが設定は簡単に出来ます。
ですので小ロットの加工や特殊なネジを作るときには向いています。

つづいて「転造」についてです

転造ネジは回転するローラーの間にネジ下(サイズによって決まった数値があります)と呼ばれる物を挟み込みます。

このときに数トンの圧力をかけながらねじ山を「押し出し」ます。

機械制御ではなく熟練の転造職人の「腕」によって精度やねじ山の強度が掛かっている為に簡単には出来ません。

そのかわりに一度波に乗れば次々に機械にかけれる為に大量生産に向いています。

ベータチタニウムで切削、転造両方を使い分けてネジを製作しています。

ケースバイケースなのですが、通常のM3、M4、M5、M6、M7、M8、M10、M12に関しては全て「転造」で作成します。
切削は特殊な場合(左ネジ、規格外ピッチ、規格外サイズ、負荷のかかりが少ない箇所で小ロット品)のみです。

なぜかといいますと基本的に転造のほうがネジとして優れた面が多いからです。

上記では切削=精密 転造=大量生産 とイメージされそうですがネジ山を作るということでは転造でも必要十分の精度の確保は可能です。

ではいったい何故か?

それはネジ山の強さと表面が転造の方が優れているからなのです。

ここに二枚の写真があります。

ベータチタニウムが所有する電子顕微鏡で拡大したネジ山の写真です。

上が切削で下が転造になります。

切削ネジは刃物でネジを「切る」為にネジ山の頂上とネジ底が鋭角になってしまいます。
転造ネジは圧力でネジを「押し出す」為にネジの頂点、底共にキレイなアールを描いています。

これを図にすると

上が切削、下が転造のネジの組織図になります。
切削の方は切断していく過程で金属のファイバーフローを切ってしまうため表面に切り後の「段」が出来てしまいます。
それに比べると転造では金属を押し出す、つまり引っ張って作るためキレイな「面」が出来るのです。

もともと強い64合金に「段」が付くとそれが相手方に食い込んでしまい「焼付き」「かじり」の原因になります。
さらにねじ山が鋭角に付く為相手方(めねじ側)に攻撃性を帯びるので相手方にも段を作りやすくなります。

それに比べ転造で作った「面」は相手方に対する攻撃性はほとんど無くいので高負荷の掛かるところでも焼き付きを起こしにくいのです。

ベータチタニウムで切削を採用する場合は面に特殊な「螺旋屋」の技法を使って表面はキレイにしますが、ネジ山自体の強さは転造にはかないません。

一つ一つを転造処理で作っていく螺旋屋の「技」から生まれるネジ
をお楽しみ下さい。

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2007年5月1日

お手紙をいただきました

先日ベータチタニウムの製品をお買い上げいただいた方からお手紙をいただきました。

製品についてご満足いただけたようで装着写真を何枚も送っていただきました。

元々工業製品メーカーとしての仕事をしていて、最近になって二輪パーツメーカーとして動き出したばかりでしたが、初めてこのような手紙をいただいて、改めてお客様と「繋がって」いるのだと実感しました。

この手紙を励みにして頑張って行きたいと思いました。

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2007年4月30日

KW-08030-D カワサキ車用ディスクローターボルト


【ディスクローターボルトの効果】に効果等は書いてありますのでどうぞ。

KAWASAKI用のディスクローターボルトです。

素材はTi-6Al-4V鍛造

ノーマルボルトの倍近い剛性と約半分の重量を実現した一品。

ネジ部分はカジリ防止の為転造で作成。

耐蝕性優れるチタン合金でいつまでも美しい輝きを放ちます。

適合車種

ZZR1400
ZZR1400(ABS)
ZZR1200
ZZ-R1100
ZX750R
ZRX750
ZRX1200S
ZRX1200R
ZRX-1100Ⅱ
ZRX-1100
ZR-7S
ZR-7
ZEPHYR750
ZEPHYR1100RS
ZEPHYR1100
Z750S
Z750
Z1000
ZX-10R
ZX-12R
ZX-6R
ZX-6RR
ZX-7R
ZX-7RR
ZX-9R
GPZ900R
GPZ1100ABS
GPZ1100
ZXR400
ZXR400R
ZRX
ZRXⅡ
ZEPHYR
ZEPHYRΧ

上記車種フロント10本使用

BALIUS
BALIUS-Ⅱ

こちらは5本使用です。

この車種がすべて同形状でほぼ同素材のボルトで出ています。
この事実をアナタはどう受け止めますか?

300Km/hを実現できる大型車種と10年以上前の中型ネイキッドで同じローターボルトを使用しているという事

最新式のラジアルマウントに大径ディスクに高性能パッド

これらの真の性能を引き出すために必要な「強さ」

そしてバネ下での回転物の軽量化による「軽さ」

機能パーツをしっかりと繋ぎ合わせるボルト

確かに10本のボルトとしては高価です

しかしブレーキパーツとしてみていただければコストパフォーマンスは非常に高くなっています。

いままでのボルトがどれくらい「逃げて」いたかを感じていただけると思います。


素材   Ti-6Al-4V鍛造
サイズ  M8P1.25

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2007年4月28日

TI12PN-10

【Jyo Style】さんからの御注文で作成した64合金製の12ポイントナットです。

丸材からの作成でした。

Ducati M900ie用のスプロケット用ナットとしてのご使用だそうです。

いっぱい並ぶと結構壮観デスネ

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2007年4月28日

Ti-6Al-4Vアクスルシャフト

アクスルシャフトといえば、純正品は「鉄」と思っている人も多いと思います。

一昔前までは、いわゆる本当の「鉄」と呼ばれている「SS400」を使う車種が多かったですが、最近では「S45C」(ハイテンション鋼)という材質をよく目にします。しかも、形状は中空で太くなってきているのが現状です。

これはオートバイメーカーがアクスルシャフトに剛性と軽量化という相反する理想を両立させ操縦安定性を狙っているものだと推測出来ます。
その状況を顕著に表しているのがモトクロス・ロードレーサーなどメーカーが力を注ぎこむ新型車のフロントアクスルシャフト及び取り付け方法は年々進化し続けているという事実です。

タイヤの接地面から伝わった力はアクスルシャフトを介して左右のフロントフォークに伝わります。
走行中のオートバイは左右に掛かる力が違ってくるので純正のアクスルシャフトでは歪みが生じ左右のサスペンションでボトム量にコンマ数ミリ違いが出ています。

走行中に常に存在するそのコンマ数ミリの違いを高剛性に設計し直したTi-6Al-4V製に換装することにより打ち消す事が可能なのです。

通常フロント周りの剛性を上げようとする時にスタビライザーを装着される方が居ますが、それでは不十分なのです。

一番下で負荷の入力されるアクスルシャフトと一番上で負荷を受け止めるステム周りの剛性というものが重要なのです。
(スタビライザーだと真ん中過ぎて歪みを殺しきれませんし重量増になります)

ステム周りはアルミ合金やマグネシウムを使用したトップブリッジが以前からリリースされていますが、単純に金属としての強さで比べるとノーマルの材質より劣ります。

では何故剛性が上がるのか?

それはトップブリッジというものはその形状を変えることにより取り付け設置面積を増やしたり単純に大きくすることにより剛性を上げる事が出来るのです。

しかしアクスルシャフトはアンダークランプやホイールの内部に入ってしまう為に形状を変えることが出来ません。

使用する材質を変えることによってしか剛性を高める事が出来ないのです。

ただ、材質を変えただけの純正形状のアクスルシャフトを作っても意味がありません。
なぜなら純正品は大量生産を前提としていますので限られたコストの中で最大限の精度と強度を出しているものであり、決して最高の性能を発揮しているものではないのです。

私たちベータチタニウムでは、材質を吟味して、設計する事からはじめ製作しています。

そしてスペシャルパーツとして材質は何が最適なのかということに対してはTi-6Al-4Vというチタン合金以外にないと考えております。

ホイールやフロントフォークを交換することとは一味違う、剛性と軽量化の観点から設計・製作されたスペシャルパーツを体感してみてください。

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